【読書感想文】「マリアビートル」伊坂幸太郎

読書感想文

伊坂幸太郎さんの本「マリアビートル」を読みました。その感想文です。

Xで「図書館で目当ての本を借りる時、両隣の本を借りると素敵な出会いがある」といった内容のポストを見て、至極感銘を受けました。前回感想を書いたフィッシュストーリーの隣にあったので、AXと一緒に借りてきました。

この本は一冊で一つの物語です。またAXと違い一つの事件(細かい出来事はたくさんあるけれど)なので、劇中の時間も短いです。息をつく暇もありません。それに合わせて、休憩なしで読み切ってしまうのがおすすめです。

以下、ネタバレを含みます。

これほどまでに一つも共感できない悪役キャラがいただろうか、王子。年齢しか情状酌量がない。特に犬好きのワイ、激怒です激怒。本人にとっての救いもなければ罰もなかったのは、やはり年齢?読者が認めなくても天から愛されてたあたり、世の中の不条理を感じます。

先にフィッシュストーリー、AXを読んだので、本を跨いだ伏線というか伊坂先生のファンサ?が面白かったです。蜜柑と檸檬、二人の末路、新幹線でバカスカ死体が上がった事件、などなど。

一方で重要なファクター層なのに本書に載っていないこともあったので、これも別の本のファンサかなと思っています。

木村のご両親の会話にはワクワクさせられました。とくに奥様は丁寧でかわいらしいおばあちゃん口調で、銃ぶっ放したってことでしょ?そそる。

あとは木村の息子さんが目を覚ましたことを話すシーン。彼はその男の子が昏睡状態って知らないから、そりゃあ眠りを妨げたと思うよね。木村父にビビり散らかして言い訳に徹し、全然話聞いてないのも高ポイントでした。

新幹線のように疾走感のある小説でしたが、止めることのできない悪役キャラに鼻先を新幹線が通ったかのような恐怖を感じました。誰かあいつを2度と娑婆に出さないようにしてくれ。

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